しゃばけ
2007-02-23


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何冊借りたんだと言われそうですが、これもAから借りた本。
普段から我々は数十冊単位の貸し借りをするので、
別に珍しい話でもないのですが。

新潮社のハードカバーで作者は畠中恵氏。
第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

時は江戸時代。
主人公は大店、廻船問屋兼薬種問屋の三代目、若だんなの一太郎。
朝と昼と夜と別々の病に罹って死にかけるほど病弱の十七歳。
そんな一人息子にあんみつに砂糖を山盛りでかけても対抗できないほど
大甘な両親と奉公人達。

奉公人達の中でも特に若だんなに甘いのは二人の手代。
廻船問屋の手代は佐助、薬種問屋は仁吉が。

実はこの佐助と仁吉、人ではない。
佐助は犬神と言われる妖で仁吉は白沢と言う名の妖怪。

他にも若だんなの周りには派手な衣装が好きな屏風のぞきに
顔は怖いけれど小心者で愛嬌のある小鬼の鳴家(やなり)。
野寺坊に濡れ女と河童と・・・沢山の妖がいる。

若だんなが幼い頃から沢山の妖が出入りしていたので若だんな自身に
違和感は無いが、何故若だんなの周りにこれほどの妖がいるのかには
わけがある。

それは若だんなの祖母が「皮衣様」と呼ばれる大妖なのだ。
仁吉と佐助は病弱な若だんなの遊び相手になるようにと
皮衣様が遣わせたのだ。

大妖の孫の割には妖怪を見分け、話ができる事しか出来ない若だんなだが
その持ち前の優しさと頭の良さで江戸の町に起こる不思議な事件を
妖怪達と共に解決するお話です。

個人的には鳴家が可愛い。一匹欲しい。
勿論人に悪意を持つ妖もいるけれど、つい頬が綻んでしまう作品でした。
[書籍]

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